これまで医療ISACは、以下の各関連団体とともに、医療・介護・健診分野におけるセキュリティアンケートの結果内容を公開してきた。
【医療】2023年1月公開
全国保険医団体連合会/一般社団法人日本病院会との共同セキュリティアンケートレポート
【介護】2023年3月公開
公益社団法人全国老人保健施設協会との共同セキュリティアンケートレポート
【健診】2023年3月公開
公益社団法人日本人間ドック学会との共同セキュリティアンケートレポート
こうした取組は、患者ケアを目的とした国内メディカルヘルスケアのサプライチェーンを構成する各分野のセキュリティ水準を浮き彫りにすることを目的ともしている。
こうした一連の取組の最後として、今般、医療ISACは一般社団法人日本保険薬局協会と共同で、当協会加盟組織を対象として、上記同様の観点に基づくセキュリティアンケートを実施したため、その内容を分析したレポートを公開する。
基本的に、介護・健診同様の設問項目を前提としたレポートとなっており、詳細自体はレポートをご確認頂きたいと思うが、他分野と異なる特徴的なポイントとして、今回アンケートにご回答頂いた薬局の9割前後が、オンライン資格確認という、インターネットとの接続を前提にした業務環境を構築している点がある。そのため、従来まで、外部から独立したクローズドなIT環境で業務運営を行ってきた国内のメディカルヘルスケア組織が、厚生労働省の政策のもとで、ある意味、正反対ともいえる取組、つまり、オンライン資格確認という、インターネットとの接続を前提にした業務運営を行うにあたって、どのような課題への対策を講じるべきかというインサイトが本レポートから得られるのではないかと考える。
なお、言うまでもなく、日々高度化・巧妙化するサイバーリスクに国内のメディカルヘルスケアサプライチェーンがいかにレジリエンスを維持していくかという点は、喫緊の課題でもある。よって、今回の取組のなかで各関係団体のご協力のもとで収集できた知見をもとに、医療/介護/健診/薬局という、患者ケアを目的とした国内のメディカルヘルスケアサプライチェーンにおけるセキュリティ比較調査結果についても、別途本サイトで公開をする予定である。
最後に、本セキュリティアンケートにご協力いただいた一般社団法人日本保険薬局協会に感謝を申し上げます。ありがとうございました。