Report:介護施設に対するセキュリティアンケート調査の結果と考察(2023年3月)

医療ISACでは四病院団体協議会、また全国保険団体連合会/日本病院会と共同で国内医療分野におけるセキュリティアンケート調査を行い、今まで複数のセキュリティ調査・分析レポートを公開している。

一方、2025年には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になり、国内の介護需要が一層高まっていく当今において、介護施設の業務品質・効率の向上に向けたIT導入促進が積極的に行われている状況であり、そのような状況下で、医療同様、介護施設におけるセキュリティ管理実態を把握し、適切な現状認識を行うことは、介護ITにおけるセキュリティのあるべき姿を考えるうえで極めて重要と考えられる。

今回、医療ISACは公益社団法人全国老人保健施設協会と共同で、協会加入施設に対してセキュリティアンケート調査・分析を行ったのでその結果を公開する。

内容としては、第1章で調査回答組織の全体内訳・調査項目等の概要を解説し、第2章で全体の分析・調査結果を示したうえで、それ以降の章では、入居者定員別(第3章)、施設類型別(第4章)、IT利用環境別(第5章)というそれぞれの観点/区分に応じた調査/分析結果を取りまとめている。

国内の介護施設の経営も医療同様、公定価格(介護報酬)に規定されるため、調査・分析結果の多くは従前の医療分野を対象としたレポートと同型の傾向を示してはいるものの、介護分野固有の特徴も見受けられる内容となっている。

介護分野では、医療と比較すると未だIT化の取組が十分に進んでいない施設も多いが、今後のIT化の導入・促進においては、こうした介護施設の現場感を考慮したうえで、介護施設/介護ITベンダ双方ともに適切な対策を考えていく必要があると考える。

今まで国内の介護施設向けにセキュリティ管理実態を調査する取組はほぼ実施されてこなかったため、今回のレポートが介護ITにおけるセキュリティを考えるうえでの、皆様の役に立てば幸いである。

最後に、国内の介護セキュリティの向上に向け、本アンケートに辛抱強くご協力いただいた全国老人保健施設協会に感謝を申し上げます。ありがとうございました。

レポートはこちらからどうぞ。